こんにちは。ほしのはやしです。
ある日突然上司から「これ症例報告にしませんか?」とか、珍しい経験を世の中の人と共有したいとか、色々な理由で症例報告を書き始めること、ありますよね。
指導してくれる上司がいればいいのですが、独力でやろうと思うと途中で挫折することが多々あります。
症例報告書くのなんてやったことないのだ…
このページでは、症例報告の書く基本について、ふわっと説明していきます!
症例の選び方
症例のピックアップ
これが最も重要です。
ただ、どういったものを選べばいいか…言語化されていないことが多いですよね。
どういう症例を選べばいいのかな???
基本的には以下の項目を考えると上手くいくことが多いです。
- 稀な病気
- 稀な合併症
- 通常ではない診断法が有効だった
- 通常ではない治療法が有効だった
これらのうち、1つだけだと症例報告の論文化は難しいことが多いです。
例えば4番に該当するものだと、HIV患者で偶然白血病を合併して骨髄移植でHIVが治癒したとか、それぐらい珍しいことでなければまずアクセプトされません。
現実的には、上記の中から2つ以上の組み合わせを持った症例を選ぶことが大事になります。
この段階で論文のタイトルを仮決定していきます。
データのチェック
いくら面白そうな話でもデータが揃っていないとアクセプトは難しいです。
どのようなデータが必要か、チェックリストにしてみました!
- メインの疾患や合併症の確定診断基準を満たしている
- 特殊検査のデータ(遺伝子検査、生検、生理学検査)がある
- 治療効果を客観的に経時的に示せるデータがある
兎にも角にも客観的なデータがないと始まりません。
例えば心臓の話をするのに、治療前の心電図・心エコー、イベント発生後の心電図・心エコー、改善後の心電図・心エコーは必須だと思ってもらえればよいです。
癌なら治療前後の腫瘍マーカーや、病理組織ですね!
日々の臨床から客観的なデータを意識していれば、早期発見・早期治療に繋がったり患者さんにとってもメリットが大きいです!
症例報告の書き方
日本語か英語か?
論文は原則英語論文にしましょう!
理由は簡単!世界中の人のためになるのと、自分の業績になるからです!
症例報告って意外と引用されるだけでなく、診断や治療が行き詰まったときに症例報告を参考に判断をせざるを得ないときがあります。
日本語で書く必要があるときは、具体的には以下になります。
- 資格申請に日本語の学会誌に論文を掲載する必要がある。
残念ながら他には正直思い当たりません。
日本語で書いた論文はほとんど誰にも読まれませんし、業績としてないのと一緒レベルに扱われます。
また昔と比べて英語で論文を書く労力はめちゃくちゃ減っていますから、メリットは『書きやすそう』というイメージだけではないでしょうか。
絶対英語で投稿しようね!
症例報告・ケースレポートの構成
どこの雑誌に投稿するかで細かいところは変わりますが、だいたい以下のような構成になっています。
- Abstract
- Introduction
- Case report
- Discussion
それぞれの細かい書き方については以下を参考にしてください!
手をつける順番
どうしても、Abstractから書こうとして詰まりますよね。
慣れればどこから書いても一緒なのですが、特に初心者にオススメの取り掛かる順番についてご説明します!
- Case report
- Discussion
- Introduction
- (英文翻訳)
- Abstract
この順番で書き始めるだけでかなり効率よく論文を書くことができます!
最初から完璧を目指さなくて良いので、自分の経験したことや記録上読み取れることなど、事実を書くCase reportは下調べがいらず考える必要もないので取っ掛かりに最適です!
書き始めは日本語か?英語か?
さて、ここでいきなり英語で書くのは…つらいですよね。
ぶっちゃけて言います。
日本語で書いてください!!そして、翻訳ソフトを使いましょう!!!
もちろん、慣れてくれば適当英語で書いてソフトで校正が最も正確ですが、無理してまで英語で書き始める必要はありません。
ただ翻訳ソフトを使う前提で書くテクニックがありますので、細かいことは続きのコンテンツを参考にしてください!
まとめ
症例報告を書く上で知っておくべきことをまとめました!
良ければSNSや口コミでシェアしてくれると嬉しいです!
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