【初心者向け】英語投稿のためのケース部分の具体的な書き方!

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こんにちは。ほしのはやしです。

症例報告を書こう!
そう思ってから気がついたら3ヶ月経ってしまった。。。

日々忙しいとなかなか余裕ができないですよね。

このページでは、英語で症例報告を効率よく書くためのノウハウについてお話したいと思います。

星柴くん

タイパ最強!コスパ最高!

書く前に知っておくべきことについてまとめたページもあるので、よければご覧ください!

目次

ケースレポート部分の書き方

他のページでもご紹介したように、必ずCase reportの部分から取り組みましょう!

この部分については事実に基づいて書くので慣れれば単純作業に落とし込めます。

まずは英語を書き慣れていない前提で話を進めていきますね。

英語に翻訳しやすい日本語で書こう!

どうしても日本語で書くとなると、日本の症例報告を参考にしたくなりますよね。
ですが、これはまず避けた方がよいでしょう!

理由は明瞭で、フォーマットが違うことが多いからです!

具体的に見てみましょう。

症例報告
患者:◯歳男性
主訴:意識障害
現病歴:食事中に突然頭を抑えだしそのまま意識消失したため、同席していた妻が救急要請し病院を受診した。来院後も意識状態改善せず緊急入院した。
既往歴:糖尿病
喫煙歴:なし
家族歴:なし

などなど、こんなパターンが多いですよね。

英語論文で投稿するときは基本的にこのパターンになることはありません。

具体例をみてみましょう。
宮崎大学救急部門から発表されたフリーアクセス論文から転載します。
Successful Treatment of Sepsis-Induced Cardiomyopathy with Intra-Aortic Balloon Pumping: A Case Report and Literature Review

A 40-year-old woman with vomiting, diarrhea, and loss of consciousness was transported to a hospital by ambulance. The patient had received a common cold treatment and garenoxacin the day before. The patient had a history of hypothyroidism but had not been on treatment. The patient had no family history of cardiovascular diseases. The patient had no previous cardiac function evaluation. On admission, the patient was febrile and in a state of shock, for which she received dopamine, noradrenaline, and antibiotics. Persistence of the symptoms led to the patient’s referral to the Critical Care Center of a university hospital the following day. 

このように、基本的に文章になっています。

文章構造に基づいて書き始めることがタイパを上げる重要な要素なのです。

Case reportの日本語テンプレート

まずは以下のテンプレートを用いて、症例報告を書くことが良いでしょう。
架空の症例です。

50歳の女性が倦怠感と呼吸困難で病院に受診した。胸部X線およびCT検査で前縦隔腫瘍と右大量胸水が見つかった (Figure 1)。血液検査では貧血と高ガンマグロブリン血症がみつかった。胸腔ドレナージが実施され、血性の滲出性胸水が排出された。その後呼吸困難は改善した。原因精査のために入院した。
胸水検査ではCA125が高値だった。そのため腹腔または骨盤内疾患が疑われ、腹部造影CTおよび骨盤MRI検査が実施されたが異常は見つからなかった。
胸水のセルブロックを病理学的に解析したところ、形質細胞のモノクローナルな増加が明らかになった。前縦隔腫瘍を超音波ガイド下に生検し、また骨髄生検をも行った。免疫組織学的解析で、両方の検体で形質細胞のモノクローナルな増殖が判明した (Figure 2)。血液および尿タンパク電気泳動でIgAκのモノクローナルな増加があり(Figure 3)、髄外病変を伴うIgAκ多発性骨髄腫と診断した。Autologous stem cell transplantationの治療のために転院した。

初稿はこのぐらいで良いでしょう。

大事なのはざっと概略を書き切ることです!

今回の書いたものでいくと、「多発性骨髄腫の診断基準を満たしていることの描写が足りない」、「多発性骨髄腫の病期分類」、などがないことに気づきますね。
具体的な数値とかも入れたくなったりすると思います。

自分が担当したり得意な内容なら諳んじて書けたりもしますが、なれないうちは叩き台を作って修正していくのが最もタイパが良いです!

まずはこのテンプレートに沿って、概略を書ききってどんどん追記していきましょう!

日本語から英語に翻訳しよう

文章の追記が一段落したら、今度は英語に翻訳します。
昔は色々なものを使いましたが、最近はChatGPT一択になっています。

以下がChatGPTに以来するときのスクリプトになります。

私は日本の研究医師です。日本語で症例報告を記載しました。以下を論文に適した英語の文章に翻訳してください。
(ここに日本語の文章を貼り付ける)

先程のテンプレートをChatGPTに書けたら、以下のようになります。

A 50-year-old female presented to the hospital with fatigue and dyspnea. Chest X-ray and CT scans revealed an anterior mediastinal tumor and a large amount of right pleural effusion (Figure 1). Blood tests showed anemia and elevated gamma globulin levels. Thoracic drainage was performed, and hemorrhagic exudative pleural effusion was evacuated, leading to improvement in dyspnea. The patient was subsequently admitted for further investigation.
CA125 levels were elevated in pleural fluid analysis, prompting suspicion of intra-abdominal or pelvic pathology. Abdominal contrast-enhanced CT and pelvic MRI were conducted, but no abnormalities were detected.
Pathological analysis of pleural fluid cell blocks revealed monoclonal proliferation of plasma cells. Ultrasound-guided biopsy of the anterior mediastinal tumor and bone marrow biopsy were performed. Immunohistochemical analysis confirmed monoclonal proliferation of plasma cells in both specimens (Figure 2). Monoclonal increase of IgAκ was identified in blood and urine protein electrophoresis (Figure 3). The patient was diagnosed with IgAκ multiple myeloma with extramedullary involvement. She was transferred for autologous stem cell transplantation therapy.

なんかいい感じに論文っぽくなりましたよね!

星柴くん

こんな簡単なら英語で論文投稿したほうが得だね

黒星柴くん

お主もベテランのケースレポーターの仲間入りじゃな

習うより慣れろ、で書き始めてみましょう!!!

まとめ

ケースレポート部分の書き方について、具体例を出しながら解説しました。
少しでも症例報告を効率よく書けるようになれたなら幸いです!

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この記事を書いた人

柴犬をこよなく愛する読書家。
街歩きとお菓子作りを趣味にしています。
研究や論文に役立つ情報をわかりやすくお伝えします。

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