【初心者向け】多変量解析:R studioでやる重回帰分析の具体的な方法

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こんにちは。ほしのはやしです。
重回帰分析って初心者からすれば仰々しい名前でよくわからないですよね。

このページでは、「どういうケース」に「具体的にどう使う」かを主体に解説していきます!

目次

重回帰分析:Multiple linear regressionとは?

複数の原因から、ある結果が生まれたときに、どの原因が最も影響力が強いか?
そんなときに使うのが重回帰分析になります。

例えば、「癌の発生数」という結果に対して、性別・年齢・喫煙歴・コーヒー・糖尿病…など複数の因子でどれがどのくらい影響するか、を調べたいときに使います!

重回帰分析に使える因子(説明変数)の個数は?

統計家によってわかれるところですが、以下の等式が提案されています。

N数 ÷ 10

すなわち、対象の母集団が50人なら、調べられる説明変数は50 ÷ 10 = 5個ということになりますね!

統計家によっては10ではなく15が良いという意見もあります

重回帰分析の因子(説明変数)の選び方は?探索的研究の場合は?

以下にやるべきことと、やってはいけないこと、をまとめます。

【やるべきこと】
・過去の文献で関連があるという項目をできる限り入れる
・今回の研究で明らかにしたい項目を入れる
・年齢、性別など要素が大きい因子は必ず入れる
・似たような項目はまとめる(例:身長, 体重と別ではなくBMIを使う。)
・できる限り項目を少なくする

【避けるべきこと】
・単変量で差があったもの、相関係数が高いものを片っ端から入れる

ここで避けるべきこととして上げたのは、あくまで臨床研究など検証的な研究が主体の場合です。
検証的な研究の場合は、ステップワイズ法で機械的に変数を選択するのも避けるべきというのが主流になっています。

ステップワイズ法とは、説明変数を増やしたり減らしたりして関係性のある要素を抽出する手法です

では、探索的な研究ではどうでしょうか?

ある治療における癌の縮小量を予測するバイオマーカー研究の場合、どれが関連するかわからないと思います。

統計的に勧められる手法は、
(調べる予定の項目数 + 既知の項目数) ✕ 10
症例数を集めて、多変量で評価できるようにすることです。

統計手法としては強制投入法を選択して、全ての説明変数を入れた上で解析することになります。
しかしあまりに個数が多い場合は、多重共線性の問題などもあり、モデルとしては不適切になります。
また、検体数にも限りがあることが多いでしょう。

多重共線性(multicollinear)の問題とは、相関係数が0.8以上など非常に高い場合に、モデルが上手く作成できない問題のこと

その場合はやむを得ず、ステップワイズ法で説明変数を最終的に限定、単変量で有意差が出たものを優先的に選択、ランダムフォレストでモデルを作成してimportanceの高いものを選択、などは探索的研究ではありです。

ただその場合は、間違った結果である可能性が排除できないことを覚えておく必要がありますね!
また必ずLimitationに記載しましょう。

具体的なコード(R studio)

テーブル名:datasheet1

AgeSexTumorVolStageIntervention
65M90IPlacebo
70F80IVDrugA
62M145IIDrugA
81M50IIIDrugA
76F55IPlacebo
77F123IVPlacebo

基本の構文は以下になります! (lmはエルとエムです!アイではありません!)

lm(調べたい結果 ~説明変数1 + 説明変数2 + … + 説明変数N, データシート名)

res1 <- lm(TumorVol ~ Age + Sex + Stage + Intervention, datasheet1)
summary(res1)

2段落目のCoefficientsのEstimateがよく論文で使われるβになります。
Pr(>|t|)がP値です。
基本的には、Estimate, std.error(SE), Pr(>|t|)を論文に記載すればよいでしょう。

下から2番目のところがモデルの精度を表していますが、多変量解析はadjusted R-squaredの値を用います。
論文ではR2で表記します。

最後の文のp-valueはこのモデルが統計的に意味があるかみたものですが、0.8148なのでモデルとして評価できない、ということになりますね。

まとめ

重回帰分析の簡単な解説とR studioでの方法について説明しました!
少しでもお役に立てれば幸いです!

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この記事を書いた人

柴犬をこよなく愛する読書家。
街歩きとお菓子作りを趣味にしています。
研究や論文に役立つ情報をわかりやすくお伝えします。

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